買ってからしばらく本棚に眠っていた『LIFE SHIFT』(ライフシフト)をやっと読みました。
著者は、日本政府の「人生100年時代構想会議」の有識者議員でもあるリンダ・グラットンさんと
アンドリュー・スコットさんです。
念のためのですが、
この本は、日本では2016年10月に発売されて以来、
いまだに本屋の平積みコーナーの目立つところに置かれており、売れ続けています。
「人生100年時代」というのが、流行語大賞の候補になるくらい世間に浸透した本です。
率直な感想としては、もっと早く読んでおけばよかったと思いました。
なんとなく、肌感覚的に感じていた時代の流れに対して、
データによる裏付けを用いて、論理的かつ説得的に持論を展開しています。
実際にそうなるかは別として、方向性はあっているでしょうね。
ひとつ興味深かったのは、
グラットン氏はイギリスのビジネススクールの教授であり、
本の中では、主にイギリスとアメリカの状況について触れているのですが、
意外にも、あまり日本と変わらないということです。
しかし、日本は、イギリスやアメリカよりも早く高齢化が進んでいるので、
この本で書かれている状況がより早く現実化することになります。
社会の実態が急速に変化しているのに、
政府や企業の制度が追い付いていないことによる問題が顕在化するのは、
日本が一番早いということです。
この本で提案されている「ポートフォリオ・ワーカー」や「マルチステージ」の考えは、
とても面白いので、まさにシフトしていく必要性を感じました。
私は、「ジミー(1971年生まれ)」と同世代ですが、
「3ステージ」のままの感覚の人と、そうでない人の差がかなりあるように思います。
忙しく会社員生活を送っていれば、毎日の業務と日常生活の雑務により考える時間が持てません。
これはかなり、危ないことだと思います。
おそらく、10年後位には、慌てふためく人が多く出るような気がします。
日本でも、若い「ジェーン(1998年生まれ)」世代は、
本能的にこれからの時代に適合した生き方を採用しつつあるように感じます。
しかし、社会全体としては、
いまだに「ジャック(1945年生まれ)」世代の3ステージ的発想が根付いており、
同調圧力が強いですよね?
まあ、考えようによっては、そっちの方が都合がいいのですが。
もはや、日本においては、「平均=ダメな多数派」ですから。
いずれにしても、
これから色々と変革が起こってくるので、その際の1つの指針になる本だと思います。
値段分の価値はある本です。
<注意!>
さっそく2匹目のドジョウが出てます。
立ち読みした限りでは、そのへんにありがちなビジネス書という印象です。
いまさら、「〇〇力」「△△力」とか、もういいよって感じです。
間違ってこっちを買わないようにしましょう。
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