運動会のかけっこ(短距離走)で速く走る方法をお教えします。
はじめに~自分自身の運動会の経験について~
私自身は、小学校1年生の運動会の時に、
スタートと同時に転んでしまったという苦い経験があります。
転んだ瞬間、何が起こったのかわりませんでした。
その後、事態を把握すると、
痛いやら、なさけないやら、悔しいやらで、泣いてしまいました。
なお、その後は、短距離では1位しかとったことがなく、
また、ずっとリレーの選手でした。
1年生の時は最悪でしたが、その後は、毎年楽しみなイベントとなりました。
私がこれからお話することで、
運動会の思い出が少しでも良くなることにお役に立てれば幸いです。
足の速さの先天性と努力について
誰しも実感していると思いますが、
足の速さというのは、生まれ持った能力に大きく左右される分野です。
たとえば、ずっとビリだった子は、
おそらく、いくら頑張っても1位になるのは難しいでしょう。
しかし、1つ2つ順位を上げることは十分に可能と思います。
遅い子は、メチャクチャなフォームで走っていることが多いものです。
これを改善するだけで、だいぶ速く走れるようになります。
あと、ちょっとしたコツをつかめば、確実に成果が出ると思います。
速く走れるようになる7つのポイント
速く走れるようになるポイントを7つあげてみました。
- 力まない
- 腕に余計な力を入れない
- かかとをつけて走らない( = ベタベタと走らない)
- 姿勢を良くする(体の軸がブレないように)
- ももを高く上げる
- リズミカルに走る
- 全速力で走る練習を繰り返さない
以上の7つのポイントについて、1つずつ説明していきます。
1.「力まない」
スポーツ全般にいえますが、リキんではいけません。
リキむと合理的に力が機能せず、パフォーマンスは確実に落ちます。
2.「腕に余計な力を入れない」
1の「力まない」とダブルのですが、特に重要なので別項目としました。
走るのが遅い子によくみられる特徴として、
腕に力が入っている、というものがあります。
腕に力を入れて走っている様子は、
傍から見ていても、がんばばっているように見えるのですが、
全くの逆効果です。
気持ち的にはわかるのですが、
腕でなんとかしようとしても全く効果がありません。
腕は力を抜いて、
姿勢を正すことと、リズムを整えることに使います。
腕を横に振ってみたり、こね回してみたりしてはいけません。
腕は真っすぐに、力を抜いて、「スッ、スッ、スッ」と振ります。
繰り返しますが、
腕の振りは、
「バランスをとること」と「リズムを整えること」が主な役割です。
3.「かかとをつけて走らない(= ベタベタと走らない)」
短距離走は「かかと」をつけて走ってはいけません。
バタバタ、ベタベタと走ってはいけません。
かかとを地面につけないで、
「タッタッタッ」と走ります。
4.姿勢を良くする(体の軸がブレないように)
スッと姿勢を良くします。
だからといって、姿勢を良くするために力んではいけません。
余計な力を入れずに姿勢を良くしてください。
スッとです。
姿勢がよくないと、力が正しく伝わりません。
力があっちこっちに分散してしまいます。
これはかなり重要なことです。
他のスポーツでは、かなり重視されているはずですが、
走ることについては、なぜか見落とされていることが多いです。
5.ももを高く上げる
「ももを高く上げる」ということは、速く走る上で重要です。
陸上部には、「もも上げ」というトレーニングがあるくらいです。
ただし、
ももを高く上げることによって、体がのけぞってはいけません。
体の軸はしっかり真っすぐでないといけません。
6.リズミカルに走る
これはとても言語化しにくいのですが、
速く走れている人は、頭の中で一定のリズムが流れているはずです。
ドタバタではなく、
タッタッタッと軽やかなイメージです。
このイメージと実際の動きが連動します。
イメージ ⇒ 実際の動き ⇒ イメージとしてフィードバック
こんな感じでしょうか。
イメージの重要性は、他のスポーツではよく言われることですが、
「走る」という単純な競技については、
少なくとも、小学校の運動会レベルでは、ほとんど語られていません。
しかし、
余計で効果の上がらない練習をするくらいなら、
よほどイメージトレーニングをした方が効果があると思います。
どうも、「運動会」=「がんばってる姿が大事」みたいな風潮がありますが、
こと短距離に関しては、「がんばる」ものではありませんからね。
そもそも、「がんばって」いるうちは、あまり速く走れません。
↑ かわいい絵ですが、このイメージではダメです。
速く走っている子は、「がんばって」いません。
短距離に関しては、「がんばる」≒ 「リキむ」です。
速く走る子は、軽やかなイメージをもって走っています。
7.「全速力で走る練習を繰り返さない」
これも、陸上競技の世界では常識なのですが、
子供のかけっこの世界には、ほとんど浸透していません。
おそらく、知識のない教師の責任が大きいと思われます。
全速力で走る練習を繰り返してはいけません。
陸上の短距離選手も全速力で走るのは、たまにしか行いません。
全速力を繰り返すのは、
「がんばっている感」があるので、その行為自体に満足しがちですが、
悲しいかな、効果があまりありません。
というか、
疲れてしまったり、足を痛めたりと、むしろマイナスです。
練習方法としては、
スタートダッシュだけを集中して行なったり、
途中まで全速力で走り、トップスピードに達したら、あとは “流す” 、
というような練習の方が確実に効果があります。
この “ 流す” というのは大事です。
ムダな力を入れないで、効率よくスピードを保つイメージを頭に覚えさせるわけですから。
また、全速力を繰り返すくらいなら、
ランニングをして、走るために必要な筋力をじっくり鍛えた方が
よほど効果があります。
最後に
何ごとも、正しい努力の方向性がありますので、
ぜひ、ちょっとしたコツをつかんでみてください!
運動会での順位が1つでも上がることにお役に立てれば幸いです。