最近、自宅として中古マンションを選ぶ人が増えてきました。

原因としては、

立地の良い場所には、もう新築マンションは建ちにくいこと、

中古マンションに対する消費者の理解が深まったこと、

中古マンション流通拡大に政府の後押しがあること、

リフォーム・リノベーション物件が増えてきて、技術も向上してきたこと

などが揚げられます。

新築マンションは、広告宣伝費などが価格に上乗せされていますし、購入した瞬間に価格が半分位になってしまうことも珍しくありません。

日本では長い間、新築信仰が続いてきました。これには、奥さんの影響が少なからずあると考えます。

マイホームにおいては、奥さんが最終的に決定権を持つことが多いですが、

女性は、どうしても見た目にこだわる傾向があり、

新築マンションの「モデルルーム」に食い付きがちです。

冷静に考えれば、中古マンションの方がコストパフォーマンスが優れているのですが、

中古マンションの内装の汚れなどを見ると、新居に対する夢が砕かれてしまうようです。

リフォーム、リノベーションすれば済む話なんですが…。

それよりも、立地や間取りなどを重視すべきなのですが、なかなか聞き入れてもらえません。

逆に、中古マンションであっても、フルリフォーム、フルリノベーションが済んでおり、内装が新築物件と変わらない状態の場合、奥さんは急に食いつく傾向があります。

したがって、中古マンションを買うときは、フルリフォーム、フルリノベーション住みの物件であれば、奧さんの承諾は格段に得やすくなります。

ここで1つ注意すべきは、

フルリフォーム、フルリノベーション物件の多くは、

不動産業者が、元の売り主から物件を買い取って、リフォーム・リノベーションを施し、かなり価格を上乗せして販売していることが多いことです。

室内の見た目を良くして、ボッタクリ価格で販売していることがよくあるのです。

こんな物件を買ってしまっては、価格が安いという中古マンションのメリットが減少してしまいます。

かといって、自分でリフォーム、リノベーションするノウハウもなければ、時間もない場合もあるでしょう。

そうすると、リフォーム、リノベーション住みの物件で、かつ適正価格の物件を探すのがベストの選択となります。

ちなみに、フルリフォーム、フルリノベーションをする場合、

具体的には、

フローリング、壁紙、キッチン、トイレ、浴室、建具、配管など、全て行った場合、自分で手配しても200~300万円はかかります。

フルリフォーム、フルリノベーション済みの物件の販売業者は、これに数百万円の利益を上乗せして販売価格を設定しています。

したがって、買い手としては、この販売業者の利益が不当に上乗せされていない物件を探すことになるわけですが、

素人が判断するのはなかなか難しいです。

ひとつの目安として、

同じマンションで、他の部屋が売りに出ている場合、その販売価格が参考になります。

販売価格は、売り主の希望価格に過ぎないので、適正価格でない場合も多々ありますが、

同じマンション内の似たタイプの部屋で、リフォーム、リノベーションしていない物件の販売価格は1つの指標になります。

つまり、その部屋の販売価格と、購入を検討しているリフォーム・リノベーション済みの部屋の価格差が200~300万円程度であれば、おおよそ適正価格であるという予測がつきます。

また、販売業者の立場からも、いかにフルリフォーム、フルリノベーションしているからといって、

同じマンション内の他の部屋とあまりに価格差があれば、売れにくくなりますから、

不当な価格はつけにくくなる、という抑制効果も働きます。

 

ここ最近の中古マンション市場の拡大により、以前より、フルリフォーム、フルリノベーション物件の価格は適正になってきていると感じます。

うまく選べば、中古マンションのフルリフォーム、フルリノベーション物件はお得な買い物です。

今後、ますます増えてきますよ。

検討の価値は大いにあります。