2014年出版のロングセラー本、

脳科学者中野信子さんの『努力不要論』を今さらながら読んでみました。

 

努力不要論――脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本

読んでみて、自分とだいたい似たようなことを考えているな~と思いました。
(もちろん、私は中野さんほど頭が良くありませんが・・)

 

ちなみに、中野さんは「メンサ会員」とのことですが、
私も小学生の時の知能検査でメンサ会員となる条件はクリアしています。
上位2パーセントに入ればいいので、クリアするだけならあまりハードルは高くありません。
その後、劣化して今に至るわけですが・・。

 

人が努力について論じるとき、

そもそも「努力」という定義がはっきりと定まっていないので、

多くの場合、話が噛み合いません。

 

そして、

「努力次第でなんとでもなる派」と「生まれ持った才能で決まる派」の議論は、

永遠に平行線をたどります。

 

そんなもの、

対象によって異なるし、

多くの場合は両者がミックスされるわけで、その割合が違うだけです。

いろんな対象を一律に白か黒かで論じること自体に無理があるわけです。

 

しかし、

そんなふうに言うと、

話しがまとまらないし、面白くもなんともないので、

無理やり結論づけてみたり、

興味を惹くために、極端な意見を言ってみたりする人が出てくるわけです。

意味ないっスよ。

 

おっと、『努力不要論』の話でしたね。

 

中野さんはこの本の中で、

 

「苦労すること=努力ではない」

「努力をしない努力をしよう」

 

と言っています。

 

もし、「努力=苦労すること」と捉えるのならば、

そんな「努力」は不要だと言っているのです。

 

なので、“真の意味の努力” を否定するものではありません。

 

この考えには全く同意で、私もいつもそう考えています。

 

ですが、世間一般的には、必ずしもそうとは思われていないようです。

 

例えば・・、

工夫してショートカットしようとすると、

「いいかげんだ」と言われたり・・・

 

「そもそも、そうすることに意味があるのか?」と疑問を呈すると、

「みんなやってる」だの

「そういう決まり」だの

「我慢が足りない」だの

「みんな苦労している」だの

「普通じゃない」だの

 

あ~あ、です。

 

真の意味の努力なら進んでやるのですが、

「努力のための努力」となると、

トタンに頭と体が拒否反応を示すんですよね~。

 

直感的に「それは意味がない」と感じると、

脳が省エネモード(古い)になってしまって、全くやる気がなくなってしまいます。

それでも強制されると、ストレスがかかってショートしてしまいます。

 

まあ、一般的なサラリーマンのストレスって、

人間関係のストレスか、こういった類のストレスが大半ですよね?

 

そこを「割り切り」という名の「思考停止」によって乗り切るのが

大人であり、立派な社会人というわけです。

 

“元気” なときは、大人らしく立派に「思考停止」してこなしているわけですが、

弱っているときは、かなりツライですね。

 

そんなこんなで、

「努力=苦労」を強制する人はニガテです。

間違いました。

超ニガテです。

 

無駄な苦労を共有することが、その集団の構成員としての必要条件であり、

無駄な苦労を介して連帯意識を高めている集団って、かなり不健全だと思いません?

 

『努力不要論』は、

出版社と編集者によって、キャッチーなタイトルを付けられただけであって、

別に何か新しいことを書いているわけではありません。

 

「そうだよね~。」と読む本です。

 

でも、

その「そうだよね~。」は結構重要だと思います。

 

「自分の考えをなぞるような読書の仕方は頭が悪くなるからヤメロ」

と言う人もいますが、

 

「自己啓発本はほとんど役に立たない。
唯一役に立つとすれば、自分が常日頃考えていることについて、
成功者や著名人の発言の裏付けによって自信をもつことだ。」

という趣旨のことを言っている人もいます。

 

読書の目的には、

「知識を得ること」

「頭の訓練」

などの他に、

「生き方のヒントを得る」

などもあるので、前者の意見はやや乱暴すぎるように思います。

 

前者は、「スキルと経験そして博識=頭の良さ」みたいな考えの人だったと思います。

「頭を鍛える」というフレーズを言いそうなタイプです。

 

この「頭を鍛える」というフレーズは、

編集者や商品開発者が好んで使いたがるフレーズですが、

 

「頭を鍛える」と言っている時点で、

センスがないというか、相当に頭が悪いな~と思ってしまうフレーズです。

(このコピーを使われた著者は、かなり恥ずかしい思いをしていると思うのですが)

 

おそらく、

編集者の頭が悪いのではなく、

編集者が、読者や顧客のことを「相当に頭が悪い」と思っているのだと思います。

舐めてますね~。

 

後者の意見は、誰だったかな~?

たしか、気鋭で信頼のおける頭の良い人だったと思います。

 

興味があったら、『努力不要論』読んでみてください。