何年か前に薬師丸ひろ子が歌う主題歌が見直されていた『Wの悲劇』。

主題歌もかなり良いですが、

もし映画を見たことがないのなら、ぜひ、一度見てみることをオススメします。

お気に入りの映画なので、私はDVDで何回も見ています。

 

1984年の作品なので、
笑ってしまうシーン(レオタードで踊る謎のシーンなど)もありますが、

ちょうど、日本がこれからバブル期に向かう直前の頃なので、
漠然とした明日への期待感みたいなものが漂っています。

この辺の空気感は今となっては味わえないものです。

 

主演はもちろん薬師丸ひろ子、

その他のキャストは世良公則、三田佳子、高木美保などです。

世良公則は、なかないい演技をするんですよ。

世良公則は、フジテレビの『まるものおきて』というドラマで、
いい感じのおやじさんの役を好演していましたが、その演技の原型がこの時点で見てとれます。

貧乏な青年の役なので、好き嫌いはあるでしょうが。

 

三田佳子は、売れっ子女優の役で、ちょうど女盛りの頃で妙に艶めいています。
いかにも大女優、華があるという感じです。演技はもちろん上手いです。

この良くも悪くも大女優といった感じも、今ではほとんど見られないですね。
オーラが違います。

高木美保はまだ新人です。当たり前ですが若いです。
まあ、キレイはキレイですね。
その後、毒舌キャラのタレントとなり、農業をやることになるとは、この時点では誰も予想できないですね。

 

あと、蜷川幸雄が演出家の役で出演しています。
灰皿を投げたりしています。なかなか貴重なシーンです。

 

この作品は、舞台を扱った「劇中劇」なのですが、
舞台演出がかなり素晴らしいです。

舞台セットを手掛けたのは妹尾河童さんです。

照明も音楽もアングルも素晴らしいです。

舞台に興味がある方でまだ見ていない人には特におススメです。

 

ストーリーの話は(あえて)全くしていませんが、

ラストシーンが感慨深いものがあります。

 

意外と見ていない人もいると思いますが、

かなりのオススメ映画です。

 

Wの悲劇