私は戦争映画が好きでよく観ます。

この映画も、”戦争映画” として選んだのですが、その期待は裏切られました。

戦闘シーンがあまりないのです。

しかし、内容的には、かなり面白く、嬉しい誤算となりました。

この作品の公開は1970年です。

原題はシンプルに「Patton」 です。

このタイトルが非常にしっくりきます。

昔の映画にありがちですが、

ヘンテコな邦題のせいで、かなり損している典型例です。

というのは、

この映画は、パットンという人物を描いた映画であり、戦車軍団などあまり出て来ないからです。

たしかに、パットンは、大戦車軍団を率いていましたが、戦車など、この映画ではオマケでしかありません。

パットンはアメリカ軍の将軍ですが、政治家のように描かれてます。

日本でいうと、田中角栄のキャラクターが被りますかね。

田中角栄は、最近になって、その人間的魅力が見直されており、

昨年あたりに、ちょっとした角栄ブームがありましたよね。

パットンも角栄のように、とても人間的魅力にあふれています。

そして、コメントが、超絶に面白いのです。

パットンの発言は過激すぎるため、しょっちゅう問題となります。

まさに政治家のようです。

ついつい言い過ぎてしまうパットンですが、ユーモアのセンスがあり、憎めない人柄に描かれています。

彼を非難する人は、シャレがわからない、カタブツでしょうね。

ところで、この映画は、第二次世界大戦の当時のパットンを描いたものですが、

ひとつ、時代背景的に非常に驚いた部分がありました。

将軍であるパットンが、入隊して間もないような若い負傷兵に対して、

「気合いが足りない」と叱咤して、負傷した足を蹴るような (※ちょっと、はっきりよく覚えていません。) 場面があるのですが、

それが大問題になってしまうのです。

あの時代に、しかも軍隊の中の出来事であることを考えると、アメリカ人の人権意識の高さには驚かざるを得ません。

日本では考えられないことです。

このアメリカ人の感覚からすると、日本の特攻隊などは、本当に理解できない行動だったのだろうと思われます。

それはそうと、

主演の、ジョージ・C・スコットの演技が冴え渡っており、ユーモアもあって楽しめる、

すばらしい映画です!

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