破産手続きの開始決定を受けた旅行会社の「てるみくらぶ」。
被害者は、顧客の他にも、同社への内定者が取消となり、問題となっています。
弁護士法人の「アディーレ法律事務所」によると、
「てるみくらぶ」の内定取消者が、同事務所へ応募してきた場合、無条件で採用するとの方針を出しています。
「アディーレ法律事務所」は、
テレビコマーシャルを大々的に流している法律事務所ですから、
事務所の名前くらいは、聞いたことがあるのではないでしょうか。
「債務整理」つまり、借金問題を専門に取り扱っており、全国展開している法律事務所です。
こういった債務整理を専門とする法律事務所では、
実際の実務的な仕事の大半は、事務職員 (事務員) が行います。
その事務職員として、内定取消者を採用するということです。
これは、なかなか上手い施策だと唸りましたね。
う~ん、
さすが、ビジネスが上手な法律事務所です。
世間で注目を集めている問題について、被害者である内定取消者に対して救済の手を差しのべるという、弁護士事務所としての社会貢献的なアプローチ。
しかも、「破産」(債務整理の一環) という自らの専門分野で注目された被害者救済ですからね。
普段は、破産する側の代理人として業務を行っているわけですが、
破産されることによって被害を被る人達の側の手助けをするということは、
社会的なアピールとして、とてもインパクトがあります。
また、採用対象者たる内定取消者は、
就職という人生の重大局面において、
内定先が「破産」するという、滅多にない貴重な体験をしているわけです。
これは、同事務所の業務を行う上で、貴重な経験者、ということにもなるわけです。
いや~、ビジネスセンスがありますね。
いわゆる、win-win なわけですよ。
久しぶりに感心する出来事です。