私は若い頃、新宿の近くの分譲マンションに住んでいました。

土地柄のためか、隣室には、男の人に囲われたフィリピン人の女性が住んでいました。

彼女がフィリピン人であることは、引っ越して来て挨拶した時に判明しました。

また、

普段は1人で生活しているのに、時々、中年の男性が訪ねて来ていたので、愛人なんだとわかりました。

さらに、

春秋の気候が良い時に、お互いに窓を開けている状態で、隣室の男性の声が大きいので、時々、会話が聞こえてきましたし、

ある時など、廊下で激しく喧嘩をしていて、男性が怒鳴って、女性が泣き叫んでいたこともありました。

それから数年後、隣室のドアに、競売云々という紙が張られていました。

その頃から、人が住んでいる気配がなくなり、しばらくすると、若い女性が入居してきました。

廊下で会った時に挨拶をしましたが、ちょっと、精神不安定な感じがしました。

また、人の出入りが頻繁にあるようで、現在、誰が住んでいるのか、よくわからない状態でした。

それから、「超」大音量で音楽を鳴らしたりすることが、時々ありました。

大音量ではありません。超大音量です。

明らかに、頭がおかしい感じで、危なくて注意もできない状態でした。

そんなある日の夜中、

無線による会話が聞こえてきて、ベランダ側が、複数の人の気配でザワザワしています。

なんだよー、とカーテンを開けて見ると、

警察官が10人以上も集まっていて、隣のベランダに梯子を掛けて、梯子を渡っているところでした。

レンジャー部隊のノリです。

少しすると、

「確保」とか、「意識あり」とか、警察官の声が聞こえてきました。

今度は、廊下側に沢山の人の気配です。

ドアの覗き穴から見ると、廊下は警察官で溢れかえっていました。

10人以上です。

ドアを開けて、「何があったんですか?」と聞いたら、

「倒れている可能性があるから、見に行ってくれと、本人の知人から警察へ連絡が入った。」とのことでした。

本人は、どうやら、薬は飲んでいたようですが、命に別状はなかったようでした。

その後、また居住者が入れ替わったようでしたが、超大音量の音楽は時々あり、これには、かなり悩まされました。

あの人達は、競売を妨害するための「占有屋」に間違いありません。

競売にかかった物件に、かなり怪しい人を住まわせて、落札されるのを妨害、または、引き渡しを妨害していたのです。

まったく…、こっちはいい迷惑ですよ。

ある意味、貴重な体験でしたが。