コンサルタントという仕事は、資格もいらないし(※)、詐欺まがいのものから、有益なものまで、玉石混淆です。

(※コンサルタント系の国家資格としては、中小企業診断士というものがありますが、

コンサル業を行うのに、この資格は必須ではありません。実際、この資格を持っているコンサルは少数派です。

なお、コンサル系の国家資格はこれしかありません。)

上はマッキンゼーから、いったい何をやっているのかよくわからない怪しい個人コンサルまで、星の数ほどのコンサルがいます。

◯◯コンサルタントと自分で名乗れば、コンサルなのですから、参入自体は超ハードルが低い業界です。

誰でも参入できるということは、競争が激しくなるわけで、特に個人コンサルが長く続けていくには、信用と実績が重要でしょうね。

さて、

そんなコンサルですが、

以前、会社のプロジェクトで、日系最大手のコンサルと仕事をしたことがあります。

“仕事をした”といっても、、こちらがクライアントとしてなので、厳密に言うと、ちょっと違うのですが。

お金を出せば誰でも経験することができます。

大手コンサルの料金は高く、◯千万円もしました。

コンサル選定にあたり、複数のコンサル会社から見積りを取りましたが、ある外資系のコンサル報酬は、億を越えてました。

億ですよ。

コンサルとしては、元手は人件費だけですから、超おいしい商売です。

コンサル料金は、コンサル業者のアイデアやアドバイス、経験、分析力などといった、実体のないものに対して払うわけです。

つまり、コンサルの頭脳に対してお金を払うわけです。

ですから、基本、頭脳が優秀じゃないといけません。

別に優秀じゃなくても、同じ分野でプレイヤーとしての実績があればいいのです。

ですが、多くのコンサルはプレイヤーではありません。

これは、例えば、野球選手としてプレーしたことのない人に野球を教わるようなものです。

ちょっと考えれば、かなりリスキーなことだとわかりますよね?

「あなた(=コンサル)はこの仕事をやったことがないですが、(この仕事を実際にやっている私よりも頭が良いので) 教えて下さい。」

と言っているようなものです。

だから、コンサルは優秀じゃないといけません。

コンサルの頭脳に対してお金を払うわけですから。

したがって、少なくとも、大手コンサルは、相当優秀な人材であることが前提となります。

優秀じゃない人の頭脳に対して、何千万円も払うわけがありません。

ですが、実際に仕事をしてみないと、彼らが本当に優秀かどうかはわかりません。

「◯◯総研の人材なら優秀だろう」というコンサル会社に対する社会的信用 (期待と幻想?) をもって依頼するわけです。

なので、学歴も立派であることが最低条件となります。(クライアントは、コンサルが超難関大卒だと思い込んでいます。)

コンサル側も、それは心得ていて、コンサル選考プレゼンの資料の段階から、プロジェクトメンバーの学歴を記載してきます。

私が関わったプロジェクトでは、東大、東工大、早稲田あたりでした。

理系の割合が高いです。

高度な数理分析が必要なプロジェクトだったからかもしれませんが、一般的にも理系が多いようです。

さて、実際に仕事をしてみて、どうだったのでしょうか?

まず、資料の作り方はかなり上手です。

ここに一番力を入れていると思われます。

中でも、選考プレゼンの資料は、最も力を入れているようです。

最終的な成果物としての資料よりもです(笑)

次に、会議の仕切りが上手いです。

ここは、一番感心しました。

錯綜するガチ議論をその場で同時進行的に見事に整理してました。

これは、素直に頭いいなーと思いましたね。

あと、出されたタスクは次回までに必ず提出してきます。

一見、当たり前の話にも思えますが、かなりムチャなオーダーにも、徹夜状態で出してきます。

こういった業務は、メンバーの若手が担当していました。

出来は、イマイチのものも散見されました。

半年間くらいコンサルと仕事をしてみて思ったのは、

コンサル側の結論は、はじめから決まっていたようです。

ですから、

いってみれば、途中経過は茶番のようなものです。

頻繁に行われる会議、ミーティングを上手く成り立たせて、

都度出されるタスクに対応しながら、

最終的には、当初から決まっている結論に持っていく、

という形でした。

私個人としては、大変勉強になったのですが、

最終的な成果物を見た場合、

会社として多大な費用を支出して依頼する必要があったのか?という疑問を感じました。

しかし、

ある程度の規模の会社の場合、コンサルに依頼することには、別の意味があるのです。

それは、

①内部を説得させるための材料

②経営責任を追及された場合のリスクヘッジ

 

これは超~大きいです。

 

①については、

組織内部で大きく意見が分かれ、話がまとまらない場合、

コンサルの意見を後ろ楯にして、反対派を説得することが出来ます。

②については、

経営に関わる重要な問題について、何か不都合が起きた場合に、コンサルの意見に従ったという言い訳が出来ます。

これは、弁護士などの専門家の使い方と同じです。

以上、①②について経営者目線で見ると、非常に納得がいきました。

一定規模以上で、ステークホルダーが多い組織であることが前提です。