歌舞伎役者は世間知らずのバカばかりと思っていましたが、
☆過去記事⇒ 「世間が歌舞伎を持ち上げる意味がわからない」
市川猿之助は他の歌舞伎役者とは全く違いますね。
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「ワンピース」を見たからじゃないですよ。
NHKのコント番組『LIFE!』の「ナツキと歌舞伎」というコントを見てそう思いました。
このコントは、コント自体としてもかなり面白かったのですが、
コントという枠組の中で歌舞伎の魅力と芸の完成度の高さを見事に出していました。
脚本自体が良かったことがベースにありますが、
内村曰く、途中から猿之助に引っ張られてかなり本格的な歌舞伎になってました。
音楽セッションにおいて、
演奏者同士の相乗効果で予期しない良い出来の演奏に達することがありますが、
それに似たような状態になったと思われます。
一般に、歌舞伎役者は、歌舞伎という狭い世界からの目線しかもっていないように見えますが、
市川猿之助は歌舞伎の世界を客観的に見ています。
このあたり、まず頭がいいと思います。
顔つきや話を聞いていても明らかに頭が良さそうなのですが、
この世界では珍しく大学も出ており、しかも慶應ですからね。
見た目や言動がなんとなく香川照之に似ていると思ったら、
市川猿之助と香川照之は従兄弟なんですね。
もともと頭が良い血筋なんですね。
この市川猿之助、「LIFE!」のトークの中で、
歌舞伎の芸の上達方法について自論を展開しいました。
それによると、
歌舞伎には一定の型があって、
それは長い間に培われてきた最も効率的な芸の上達の道であるから、
回り道をしないために、まずはその型を習得することが大事であるとのこと。
独自の個性は、型を習得してから出していくべきだという趣旨の
ことを言ってました。
「守破離」という言葉は使っていませんでしたが、
これって、「守破離」のことですよね。
さすが、合理的な発想をしますね。
それに、一見、個性を追求しているように見える市川猿之助が言うと説得力があります。
これまで聞いた「守破離」に関する話の中で、一番納得がいきました。
市川猿之助は歌舞伎界にとって貴重な存在だと思います。