俳優の松重豊さんのCM本数は凄いですね。
ここまで人気になったのは、
直接的には、もちろん、『孤独のグルメ』のヒットによるものです。
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しかし、
そこに至るまでの間に、「転機」となった作品が他にあります。
私は、松重豊さんの転機になった作品は、
『離婚弁護士Ⅱ』(2005年)というドラマだと思っています。
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『離婚弁護士』は、天海祐希さんが弁護士役として主演したドラマです。
シリアスとコメディが絶秒なバランスでミックスされており、
テーマ、ストーリー、脚本、配役、演出、テンポ、音楽、
全てが揃った、とても良い出来のドラマです。
長い間、地味に脇役をやっていた俳優さんがブレイクする場合、
いくつかのパターンがありますよね?
特に、こういったコワモテの俳優さんがブレイク場合の典型パターンは、
意外性を見せた時ですよね。
もともとのイメージとのギャップが大きければ大きいほど、
インパクトがあります。
人間は、やはり、ギャップや意外性に弱いものなんです。
ギャップ萌えというやつです。
大昔からあるわかりやすい例だと、
怖そうな不良が実はやさしい、
というような王道パターンですよ。
「〇〇なのに△△」ってやつで、
〇〇と△△との距離が遠ければ遠いほど、
その人物に興味をもってしまうわけです。
「私はそんなことないよ。」と思っている人でも、
シチュエーション次第で、
簡単にコロッといってしまうと思いますよ。
私自身も、ギャップに弱いタイプと自覚しています。
松重豊さんは、
『離婚弁護士Ⅱ』において、「大庭保」というワケありの料理人の役をやっています。
松重さんのそれまでのイメージである「怖い男」というキャラクターをベースにしながら、
かなりコメディの要素を入れた演出となっており、
役の幅を一気に広げています。
これを見た視聴者は、
「あっ、この人、怖そうだけど実は面白い!」
となりますし、
業界関係者なら、
「コメディもいけるのか。このキャラクターは使えるな。」
と思うでしょう。
このように、
従来のカラを破った役に挑戦してから数年後、
人気者になっていることが多いです。
その役としての出番自体は少なくても構わないんですよね。
どれだけインパクトがあって、印象に残るかが大事です。
そういった役をうまくこなすと、絶対に誰か見ているんですよね。
多少時間はかかっても、その後、絶対に出てきます。
私は、松重豊さんのターニングポイントとなった作品は、
『離婚弁護士Ⅱ』だと思います。