先日、近所の個人居酒屋で、最近知り合った人達と飲んでいました。

みんなハイテンションになって、どんどん声が大きくなり、かなり騒がしい団体となっていました。

小さな店なので、他には年輩の夫婦一組だけでした。

そのご夫婦には迷惑をかけました。

問題は、店のオヤジさんです。

問題といっても、悪い問題ではありません。

そのお店は、オヤジさんが1人でやっているのですが、全く客に関わってこないのです。

もちろん、こちらから話しかければ、対応するし、腰も低く、感じもよいのです。

たいてい、個人で居酒屋をやっている場合、

客とのコミュニケーションをとろうとして、話しに入って来たりしますよね。

それはそれでいいのですが、商売がらか、わりとクセが強い店主が多いと感じます。

“客に対して強気で会話を進めるのが、個人居酒屋でのあるべきコミュニケーションの姿だ”

とでも言いたげなスタンスのオヤジをよく見かけます。

常連客との会話が生き甲斐みたいな。

それで、頼んでもいないのに、「これオススメ」とか言って、勝手に食べ物を出してきたり。

サービスならよいですが、そういう品に限って、値段がよくわからなかったり、高かったり。

なんというか、営業をかけてくるというか、この場合は、ほとんど押し売りですね。

それはそれでアリなのかもしれませんが、そんなパターンばかりだと、ちょっと疲れます。

それに対して、上述のオヤジさんは、奥ゆかしいというか、

仮に、客同士で料理の文句を言っていても、怒るどころか、聞こえないふりして流しています。

このオヤジさんのことを、客の多くが、”人畜無害”と言っているのを予め聞いていたのですが、

実際に店に行ってみて、予想以上でした。

私は、”偉大なる人畜無害”と思いました。

徹底しているんですよね。

居心地がよいので、何10年も続いているし、それなりに客が入っています。

世間にはびこる面倒な店主を嫌う客も多いので、しっかりと固定客を掴んでいるわけです。

世間とは逆を行く独自のスタイルで、需要をつかんでいるのです。

大いに勉強になりました。