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今から２０年前、原宿駅でバナナマンの二人を見かけた。
人通りは結構多かったにもかかわらず、誰も気が付いていない。
というか、バナナマンの存外自体、ほとんど世間に知られていなかった。
僕は、その頃、深夜のお笑い番組をやたらと観ていて、
かなりマイナーな若手芸人も知っていた。
当時、バナナマンは全然面白いと思っていなかったが、
コンビ名が謎で覚えやすいので、たまたま覚えていた。
僕は、一緒にいた当時の彼女に、「あの人達、バナナマンって言うんだよ。」と教えた。
かなりの小声だったし、彼らとの距離も５メートルくらい離れていたので、
本人たちには絶対に聞かれないと思っていた。
そうしたら、本人たちは、ビクッと、物凄い反応を示した。
芸能人とは思えない反応だった。
「俺たちのことを知っている人がいた！！」
と、本人たちがびっくりしてしまったようだった。
とにかく、素人臭がハンパなかった。
その反応には、こっちもびっくりしてしまった。
「みんなは知らないけど、俺は知ってるよ。」とエールを送れたような気がした。
今、テレビでバナナマンを見ると、出世したなぁ、と思う。
時々思い出すエピソードでした。
