“政治”といっても、政党間や政党内部の派閥闘争みたいな話ではありません。

また、過度にイデオロギーに片寄った話でもありません。

もっと、フラットな目線の話です。

マスコミ報道などは、表面的な現象を報道しますが、政治システムを理解していないと、問題の所在さえわからないという事態に陥ります。

閣僚人事についても、基本システムを理解していない人は、トンチンカンなことを言ったりします。

ニュースを見ているとき、嫁が、「なぜ、総理大臣は国民が直接選べないのか?」という質問をしてきたりします。

「日本は大統領制ではなく、議院内閣制だから、国民が直接総理大臣は選べないよ。

大統領制にするには、憲法改正が必要で、それも大改正が必要だよ。

ちなみに、知事の場合は、大統領制みたいな制度だから、住民が直接選挙できるんだよ。

大統領制は、一見、トップの権限が強いけど、議会と対立することも多いから、政策が通らなかったりすることも多いんだよ。

一長一短だけど、安定的なのは、議会内閣制だよ。」

といった話をすることになります。

私が、「国会周辺でデモをやっていたよ。」と言うと、

「なんで、あんなことやっていいんだろう?」というような質問をします。

「憲法(21条)で認められているからだよ。政治的な意見表明は、表現の自由として権力として保護されているから、堂々と出来るんだよ。」といった説明をします。

国家制度について、理解していないと、政治がよくわかりません。

それも、高等学校までの社会科のような、

“制度はこうなっている”というレベルの平面的な知識ではなく、

制度理念や、歴史的背景、論点なども知っておかないと、

立体的なイメージとして捉えることは困難です。

国家制度の根幹は憲法であり、憲法がわからないと、政治の根底は理解できないと思います。

問題となっていることが、法律レベルのことなのか、憲法レベルのことなのかもわかりません。

芦部信喜という超有名な憲法学者の本ぐらいは、最低限読まないと、

通説が何なのかさえわかりません。

憲法 第六版

そういえば、

憲法改正論者の安倍総理が、

芦部信喜の本を読んだこともなければ、名前さえ知らなかったことは衝撃です。

学者の名前なんて知らなくてもいいじゃない?

と思うかもしれませんが、

 

芦部信喜を知らない

もちろん、読んだこともない

憲法について体系的に学ぼうと思ったことがない

(芦部信喜の『憲法』は超スタンダードな教科書で、しかもサクサク読めます)

体系的に憲法を知らない人が憲法改正をしようとしている

 

ということなのです。

これって、ヤバくないですか?

私は憲法改正反対論者ではありませんが、

最低限の基本は押さえてくれないと…。

勉強嫌いで済まされる話ではありません。

 

伊藤真の憲法入門 第6版

女子高生が憲法学者小林節に聞いてみた。憲法ってナニ!?

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